COFFEE BREAK

世界のコーヒー

世界のコーヒー-World-

2016.05.15

Vol.36 ベルギー:カフェネーション (CAFFNATION)

世界中で愛されるコーヒー。楽しみ方、味わい方は、お国柄によっても千差万別です。コーヒービジネスもまた、その都市ならではのチャレンジを重ね、さまざまな広がりを見せています。
今回は世界屈指の貿易港、オランダのロッテルダムとベルギーのアントワープから。コーヒーを定型封筒で郵送するというサービスをご紹介します。シンプルで機能的、センスが光る封筒にもご注目ください。vol.36は、アントワープで孤軍奮闘してきたコーヒー案内人による、冒険を楽しむデリバリーです。

どんな銘柄が届くかはお楽しみ、旬のコーヒーをデリバリー。

Vol.36 ベルギー:カフェネーション (CAFFNATION)
caffenation.be

カフェネーション

デリバリー・サービス「ローステッド&ポステッド」は、半年間、毎週(199ユーロ)、または隔週(104ユーロ)の頻度で210gのコーヒー豆が届くシステム。期間は半年間。4回分のお試し版(32ユーロ)もある。パッケージは梱包込みで250g。定形郵便として発送できるサイズだ。

 世界屈指のコーヒー交易港として歴史が長いアントワープ港。生豆保管の港湾設備は世界一の規模を誇り、世界中の産地から集まったコーヒーがこの港を経由してヨーロッパ中の大手メーカーへと配送される。
 そんなコーヒーと縁の深い街アントワープだが、「一昔前までは、満足いく味わいのコーヒーをサーブする店はなかった」と厳しく語るのは、ロブ・ベルグマンスさん。13年前、ベルギーでの焙煎所兼カフェのパイオニア「カフェネーション」を設立した。大手メーカーのコーヒーには満足がいかず、"至福のひととき"を生み出すコーヒーを体現するために自分の店をオープン。今でこそ自家焙煎するカフェは人気を集めているが、当初は業界内でひとり孤立した存在だったと振り返る。

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[左] オーナーのRob Berghmans(ロブ・ベルグマンス)氏。この店をオープンしたのは13年前。ベルギーの自家焙煎カフェのパイオニア。[中] コーヒー好きが集まるカフェネーション。定期的にコーヒーのワークショップも行っている。[右] 常時7〜10種類の旬の豆を販売。すべての豆は、煎り具合が異なるエスプレッソ用とフィルターコーヒー用を用意。

 コーヒーのアカデミーのような店でありたいという彼は、いろいろなワークショップとならんで、「ローステッド&ポステッド」というデリバリー・サービスにも力をいれている。これは、1カ月から6カ月の期間、毎週か隔週の頻度でコーヒー豆を届ける継続購買。毎回の送量は210gで、ポスト投函できる書類サイズの封筒で郵送される。豆の種類は毎回異なり、どんな銘柄が届くかはお楽しみというシステムだ。「コーヒーは、豆というよりフルーツ。だから鮮度が大切です。そのため絶え間なく変化する旬の出物を吟味して、収穫から間もないベストプロダクトを買い付けています」
 このサービスの狙いは、冒険をしながら新しい味を発見してもらうことだと言う。知らない銘柄を積極的に試していくことで、味覚の幅はひろがっていく。「フルーティーでまろやかな酸味、ナッツのような芳ばしい味など、知るほどに深まる味わいを探求するツールにしてほしい」とベルグマンスさんは願っている。

カフェネーション

[左] カフェネーションのコーヒー豆は、店頭販売やデリバリー・サービスの他に、ヨーロッパ各地のカフェにも販売している。[右] 「ローステッド&ポステッド」で届けられるコーヒー豆には、産地や特徴についての詳しい説明書が添えられている。

 年間約35種類のコーヒーを扱うカフェネーションでは、常時7〜10種類の旬の生豆を揃えている。どんな銘柄が入手できるかはベルグマンスさん自身もわからない。けれどもどの豆も、しっかりとしたボディのある味わい、広がりのある口当たり、酸味や甘みのバランス感、そしてあと味の良さを持つ逸品ばかり。彼はコーヒーの案内人として、その広く深い魅力を多くの人に伝えていくことに力を注いでいる。

〈カフェ情報〉
カフェネーション(CAFFNATION)
caffenation.be
TEL. +32 3 689 70 13
Mechelsesteenweg 16
2000 Antwerpen
Belgae

営業時間 
 8:30〜19:00(月〜金)
 9:00〜19:00(土)
 11:00〜18:00(日、祭)
月 定休

*1ユーロ=123.60円(2016年4月現在)
写真・文=ユイ・キヨミ
アムステルダム市在住
更新日:2016/5/15

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