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美容-Beauty-

2022.09.29

アンチエイジングにコーヒーを上手に取り入れて

「加齢」や「老化」を抑え「アンチエイジング」。日本語だと「抗加齢」「抗老化」ともいう。老いに無理やりあらがうという意味ではなく、いつまでも生き生きと過ごすことを目的としているのが「アンチエイジング」だ。美容分野だけでなく、医学分野での研究も進み、アンチエイジングに役立つ食品も解明されている。コーヒーもそのひとつ。今回はコーヒーとアンチエイジングの関係をご紹介。

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抗酸化とアンチエイジングの関係

アンチエイジングを語るうえで欠かせないのが「抗酸化」というキーワード。私たちは、生きていくうえで酸素を体に取り入れて、さまざまな代謝を行っている。しかし、その代謝によって1~2%の「活性酸素」が発生する。活性酸素は酸素がほんの少しだけ変化したもので、不安定で酸化力が強いという特性をもっている。そのため、体の中の細胞や組織などを酸化させてしまう、いわゆる「体のサビ」を作る物質だ。

美容的側面でいえば、シミやしわ、くすみ、たるみといった加齢に伴う悩みもこの活性酸素が大きく作用している。また、老化医学では、がんの発生、動脈硬化などでも、活性酸素の発生を加速させない研究が進められているのだ。

活性酸素は、紫外線、ストレス、喫煙、過度な飲酒などが発生の主な原因といわれている活性酸素を過度に発生させないためには、ストレス解消や紫外線予防、禁煙、過度な飲酒を避けるなどと合わせて、抗酸化作用が高い食品を積極的に摂り入れることが推奨されている。抗酸化作用がある物質としては、ビタミンC、ビタミンE、カロチノイドなどのほかに、「ポリフェノール」が代表的だ

ポリフェノールは、植物由来の抗酸化物質のことで、サビに対抗する物質だ。ポリフェノールというと赤ワインのぶどうなど特別な果物や野菜にしか含まれていないと思うかもしれないが、ほとんどの野菜や果物に含まれている。その種類は7000~8000ともいわれ、全容は解明されていない。代表的なものだと、赤ワインなどに含まれるアントシアニン、緑茶などに含まれるカテキンがある。そして、コーヒーには、「クロロゲン酸」と呼ばれるポリフェノールが含まれている。

あくまでも平均では、コーヒー1杯につき約280mg。赤ワインはグラス1杯で約230mg、緑茶は茶碗1杯で約114mg。つまりコーヒーはポリフェノールの量が多い食品といえるのだ。お茶の水女子大学名誉教授の近藤和雄先生の検討では、ポリフェノールは、1日1000mg以上の摂取が望ましいという。この量をコーヒーで計算すると4~5杯。この量なら、アンチエイジングと銘打たずとも、今も飲んでいる人は多いかもしれない。

以上のようなことからコーヒーに含まれるポリフェノールである「クロロゲン酸」を摂ることで、「体のサビ」に作用し、美肌や血管の健康など、若々しい体作りに役立つことが徐々にわかってきているのだ。

活性酸素を生む「ストレス」も緩和させる働きが

じつは、コーヒーにはクロロゲン酸の抗酸化作用以外にもアンチエイジング作用がある。それが香りだ。

杏林大学名誉教授の古賀良彦先生らは、20代の女性10名にコーヒーの香りを嗅いでもらい、脳波を分析する調査を実施。その結果、リラックス状態を示す「α波」が平常時よりも多く出現することがわかったという。コーヒーの香りを嗅ぐと「落ち着く」「ホッとする」という反応があるのは印象だけでなく、確かな根拠があると証明されたのだ。

先に活性酸素の発生にストレスが大きく作用していることをお話ししたが、仕事で疲れを感じたとき、ちょっとしたミスで落ち込んだときなど、1杯のコーヒーを飲むことで心が落ち着き、気持ちを切り替えることができる。これはアンチエイジングの観点からも有効なアクションといえるわけだ。

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シミ、むくみ、血色......美肌を叶えるコーヒー

さらに、コーヒーは美肌などの「見た目のアンチエイジングにも大きな効果を発揮する。コーヒーに含まれる抗酸化物質のクロロゲン酸は、シミのもととなるメラニンの発生を抑制する働きをもつことがわかってきている

また、コーヒーには体内に溜まった老廃物や余分な水分を尿として排出する利尿効果もある。ということは、お酒を飲んだ翌日など、顔のむくみが気になるときにもコーヒーが体内の水分バランスを整える手助けをしてくれる可能性があるのだ。さらに、クロロゲン酸は血管を若々しい状態に保つため、血色がいい肌作りにも役立ってくれるはずだ。

見た目のアンチエイジングというと高額で手間をかけたケアが必要なように思うかもしれないが、コーヒーを飲むということならば手間もかからず、今日からすぐに試してみることができる。そのときには、慌てて飲むのではなく、α波が出るように香りを楽しみながら短時間でもホッとできるように飲んでみるといいかもしれない。

文:COFFEE TIMES編集部/イラスト:カイフチエリ

監修  近藤和雄

Profile

医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、メルボルンのベイカー医学研究所へ留学。防衛医科大学校病院講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養指導室長、お茶の水女子大学教授生活環境研究センター長を経て、現在、お茶の水女子大学名誉教授。鶴見西井病院顧問。日本栄養・食糧学会名誉会員。赤ワインに含まれるポリフェノールの動脈硬化予防効果をいち早く実証し、世界的な医学雑誌『The Lancet』で報告。
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