お知らせ
2016.07.07
コーヒー中のクロロゲン酸類とポリフェノールについてニュース
クロロゲン酸類は,コーヒー豆から初めて見つかった物質で,ポリフェノールと呼ばれる多くの機能性を有する物質群の1つです。クロロゲン酸類は,脂肪の吸収抑制,発がん予防,糖尿病予防などの機能性について報告されています。クロロゲン酸類にも多くの種類がありますが,コーヒー生豆には,カフェオイルキナ酸(CQA),フェルロイルキナ酸(FQA),ジカフェオイルキナ酸(di-CQA)が多く含まれています。今回,コーヒー豆の焙煎度の違いと品種(ブラジル産カネフォラ種ロブスタ(コニロン)とアラビカ種)の違いによる,これらのクロロゲン酸類と(総)ポリフェノールの含有量について調べました。
その結果,品種間では,すでに報告もございますが,ロブスタの方がアラビカ種よりもクロロゲン酸類,ポリフェノールとも高い傾向にありました。また,焙煎度が深くなるにつれて,いずれの品種もクロロゲン酸類の含有量は低くなる傾向がみられましたが,ポリフェノールの総量はあまり変化がみられませんでした。このことから,クロロゲン酸類は,焙煎によりポリフェノールとしての性質を持つ別の物質に変化したのではないかと推測されました。なお,コーヒー中に含まれるクロロゲン酸類には,今回調べた物質以外に,クロロゲン酸ラクトン類と呼ばれる物質群があることが報告されています。
分析法:クロロゲン酸類(CQA,FQA,di-CQA);高速液体クロマトグラフ法
ポリフェノール;フォーリンチオカルト法
焙煎度;測色計を用いて、焙煎度の指標であるL値を測定。
焙煎度が深いほど、L値は小さい値を示す。
L値;0(黒色)〜100(白色)