カフェは、ふらっと入ってコーヒーを飲むだけの場にあらず。個性派揃いの店主や軽妙なギャルソン(男性給仕)と言葉を交わすだけで、滞在時間はぐっと彩り豊かになる。お国柄によって異なる、カフェでのコミュニケーションを学んでみよう。
メニューを読み解こう!
メニューはそのカフェの特徴を端的に表すもの。メニューを読み解くことは、お店とのコミュニケーションの始まりだ。
※「会話でカフェを楽しもう!」は
こちら。
■ ドリンクメニュー
1: A l'heure du thé
お茶の時間:紅茶メニューを、気の利いた言い回しで表現。各種紅茶とハーブティをリストイン。
2: Boissons chaudes
ホットドリンク:コーヒー類、ホットチョコレートなど。
3: Café express/Double express
エスプレッソ、ダブルエスプレッソの表示:カフェによっては、時間帯によってコーヒーの値段が変わることも。
4: Goûter
おやつ:15時30分~17時30分限定の、ホットドリンクと自家製タルトのセットメニュー。こうしたセットのある店はパリには少ない。
5: Autres boissons chaudes
その他のホットドリンク:ホットワインなどアルコール入りは別枠で表示。
6: Vins
ワイン:150mlのグラス~750mlのボトルの4サイズ。ワインは1種類につき2行で記載され、1行目にはAOC(生産地)とヴィンテージ、2行目には生産者名(シャトー、ドメーヌなど)が記される。Maisonがつくのはハウスワイン/シャンパーニュのこと。
■ フードメニュー
1: Envie gourmande
パリのほとんどのカフェでは、前菜・メインメニューの枠外にあたる軽食メニューを用意している。ニース風サラダ、オニオングラタンスープなどで、ここでは「美味しいものが食べたい気分」と銘打ちリストアップ。
2: Menu servi à 19.00€
本日の定食、ワイン1杯、コーヒーつきのお得なセット。12時~15時30分のみ販売。
3: 日替わりメニュー
仕入れ次第で変わる日替わりメニューは、差し込み式の紙に書かれる。本日の前菜、生ガキなど。
4: 注意書き
メニュー下部の赤字1行:サービス料15%は税抜き価格に加算済み。Carte Bleueはデビットカードの愛称。カード払いの可・不可は店によって変わるので、支払い前に要確認。
5: Café/Thé Gourmand
「食いしん坊のカフェ」は、コーヒーやお茶に数点のミニスイーツを添えたもの(ル・セレクトでは3点)。ここ数年で人気のメニュー。
6: 食事メニュー
前菜、メイン、チーズ、デザートをカテゴリーごとに記載。
前菜:簡単な調理だけで出せるスープ、野菜のマリネ、テリーヌなどは、カフェ飯の典型的な前菜。
メイン:店の名物や定番料理を揃える。牛のステーキ、タルタルステーキ、アンドゥイエット(内臓の腸詰)はパリの多くのカフェで提供。
チーズ:数点のチーズの盛り合わせプレートを用意するカフェも。
デザート:自家製タルト、クレーム・ブリュレ、アイスクリーム、プロフィットロールなどが、カフェのデザートの王道。
Le Select ル・セレクト
1923年創業、古きよきカフェの魅力を今に伝える老舗。周囲は画家のアトリエが多く、ピカソやコクトーら文化人も通った。籐椅子が並ぶテラスは日当たり抜群。店内は革張りのバンケット席が連なり、どちらも居心地は満点だ。飲み物を数杯注文して、長居する常連が多い。
99 Boulevard du Montparnasse 75006
Tel: +33-(0)1-45-48-38-24
文・髙崎順子 / 写真・篠あゆみ
更新日:2013/03/01