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COFFEE BREAK
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世界のコーヒー-World-
ミラノのバールで、情熱あふれるコーヒーを。
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Pave milano パヴェ・ミラノ
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リサイクルやアンティーク家具を厳選。友人宅のような居心地のよさだ。
ミラノに浸透してきた新しいバールの楽しみ方。
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天然酵母パンは、毎日10種類ほど。夕方には夕食用のパンを求める列が。
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オーナーのジョヴァンニ、ディエゴ、ルカ(右から)。バラバラのキャリアを持つ3人が自分たちの理想のバールを作り上げた。
この店を手がけるのは、菓子・パン職人のジョヴァンニ、販売業のディエゴ、PRの仕事をしていたルカの3人。理想のバールを実現するため、半年かけて場所を探し、レシピを研究し、お菓子の包装から店内のインテリアまでを入念に準備した。 コーヒーにも、そのこだわりを発揮。探し求めたのは、煎りが深くて香り高く、エスプレッソでもカプチーノにしても美味しいコーヒー豆。カップはイタリアの普通のバールより少し大きめで、ヴィンテージテイストのものをオリジナルで作った。 パンもケーキもすべて手作りだ。その美味しさも評判を呼び、朝から夜までひっきりなしに人が集まる。朝にはたった5分でも座ってゆとりのある朝食をとりたい人たちがやってくる。10時を過ぎると、その日2杯目のコーヒーを楽しむ人たちが訪れ、ランチには焼きたてパン目当ての客が集まり、締めにコーヒーを飲んで午後の仕事に戻っていく。15時を過ぎるとティータイム。ケーキや甘いパンを、コーヒーやカプチーノと合わせて楽しむ。 素早く一杯のエスプレッソを流し込む立ち飲みスタイルがメインのイタリアにあって、この店では客の滞在時間が長いのが特徴だ。人と出会い、 隣り合った人と情報交換をし価値観を共有しながら、何時間も過ごそうという人が集まってくる。バールのあり方も、少しずつ変わってきているようだ。
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左:カプチーノ(2ユーロ)、タルト(4.5ユーロ〜)やクロワッサン(1.5ユーロ)などが人気。右:オリジナルTシャツ15ユーロ。これを持つのがミラノのトレンド。
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左:毎日6〜8種類がそろうケーキ(径20㎝ホールで15ユーロ〜)。中央:手作りの板チョコ(8ユーロ)右:長居したくなる心地よさ。
Botega Caffe Cacao ボッテガ・カフェ・カカオ
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イタリアの家庭で人が集う場所、キッチンを意識した内装。リラックスできる空間を目指した。
アレンジは15種類以上、ユニークなコーヒーの数々。
このバールの目玉はなんと言ってもアレンジコーヒー。冬に人気のカスタニーノは、栗クリームとエスプレッソをブレンド。夏にはエスプレッソに氷とシュガー、バニラエッセンスなどを入れてシェイクして作るアイスコーヒー、カフェシェケラートが人気だ。どちらも飲むというより味わうコーヒーといった新鮮なメニューだ。従来の頑固なイタリア人の常識を打ち破るユニークなアレンジは、常時15種類以上を揃える。トッピングを加えると、バリエーションはさらに何倍にも。 最近では、この店を真似たような新店も増えてきたが、依然として元祖の人気は不動。ミラノでは珍しい〝サンドウィッチと飲み物のセット〟などのランチサービスもスタート。次は何があらわれるか。新たな展開から目が離せない。
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左:ミラノでは1年の内10カ月はテラス席が賑わい、笑顔でコーヒーを楽しむ。中央:豆はブラジル産。店オリジナルのブレンドを産地で作ってもらう。右:深めの煎りなので、甘い物と混ぜてもくどくならない。
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左:夏に人気のカフェシェケラート(上・2.5ユーロ)など。中央:タルト(2.9ユーロ)とカスタニーノ(2.2ユーロ)。右:カプチーノにミント(1.4ユーロ〜)。
Pasticceria Cucchi パスティッチェリア・クッキー
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外に並ぶテラス席が人気だ。真冬であっても雪が降る日以外は、テラス席にいつも行列ができる。
客の細かいオーダーにも、的確に答えて信頼を得る。
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チェーザレ氏(左)は今も週に5日、店に立つ。彼の存在そのものが店の看板だ。客にいつも「ありがとう」を伝える紳士。娘のヴィクトリアさんと。
ミラノでは、コーヒーの値段は立ち飲みだと安いが、席に座ると少し高くなる。それでも、この店ではコーヒーやケーキをゆったりと楽しむために列ができる。特に週末には朝から夕方まで人が途絶えることがない。 コーヒー豆は昔から変わらず、南米産の高品質なアラビカ種を、古くから付き合いのある焙煎所で「クッキー」オリジナルの焙煎をしてもらっている。カップを機械の上で丁寧に温め、高温の湯で瞬時にいれるコーヒーは、少しクリーミーで深みのある色で、美味しそうな香りが立ち上る。 朝はカウンターでクィッと立ち飲みして先を急ぐ人が多いが、「ルンゴ(薄め)」、「カプチーノ泡なし」、「ラテマキアート・テピダ(カフェラテをぬるめで)」など、細かいオーダーをする客も多い。「そうした注文に、的確に答えてきたからこその信頼でしょう」とチェーザレ氏は胸を張る。 常連の女性は「オーナーは優しい笑顔でいつも声をかけてくれて、とても紳士なの。彼の存在のおかげで、この店で価値ある一杯を楽しんでいるわ」と話す。まさにミラノの生活に「クッキー」あり。この先、何代も何代も続いてほしいバールのひとつだ。
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左:店内はクラシックなつくり。中央・左:バリスタたちが描くカフェ・アートのバリエーションは数百種類。リクエストにも応じる。
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左・中央:クロワッサン(1.2ユーロ〜)とカプチーノは人気のコンビ。右:サンドウィッチ各種(2.5ユーロ〜)。
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左:ラズベリーのタルト(1㎏で38ユーロ)。カソリックのお祭りとのかかわりが深いというケーキが数多く揃う。昔ながらの製法で素朴な味わいだ。中央左:カプチーノ(1.5ユーロ〜)。中央右・右:お菓子の詰め合わせ(20ユーロ〜)。
Hodeidah Torrefazione フダイダ・トレファツィオーネ
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「伝統的な焙煎方法を通じて、コーヒーの美味しさを伝えたい」と、フルビオ氏は手間も時間もかかる炭火焙煎にこだわる。
8種の豆を買いつけ、炭火による焙煎で提供。
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エスプレッソマシンは、一部銅製だ。
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左:先代から変わらないカウンターバーに制服。コーヒーは1杯1ユーロから。中央:さながらコーヒー博物館のような内装。同時にお茶やクッキーなども置かれ、コーヒー以外のバール文化にも柔軟だ。右:レストランやバールオーナーも豆を仕入れに来る。