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COFFEE BREAK
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世界のコーヒー-World-
【駐日大使のコーヒーブレイク】駐日エチオピア大使
【駐日エチオピア大使】マルコス・タクレ・リケ閣下 コーヒーとともに生きる、エチオピアの人々。
コーヒー発祥伝説の地としても知られるエチオピア連邦民主共和国。人々は、今も昔と変わらぬスタイルでコーヒー・ライフを楽しんでいます。駐日エチオピア大使がコーヒーへの熱い想いを語ってくださいました。
仲良しのリケ大使ご夫婦。近所にお気に入りの散歩コースがあり、休みの日には家族でウォーキングをしながらさまざまな話をするという。「その遊歩道、春には桜並木がとても美しいんですよ」とリケ大使。
「エチオピアには、コーヒーとともに生きてきた長い歴史と独特の文化があります。その代表的なものがコーヒー・セレモニーです。お客様の前で生豆を煎り、いれたてのコーヒーを飲みながら語り合う。日本の茶道にも通ずる私たちの伝統的なおもてなしです」
駐日エチオピア大使マルコス・タクレ・リケ閣下のお話を聞いていると、甘くふくよかな香りが漂ってきた。乳香が焚かれている。大使夫人によるコーヒー・セレモニーの始まりだ。
五感が喜ぶ、コーヒー・セレモニー。
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コーヒー・セレモニーの手順をご紹介。生豆をローストしてから臼に入れ、杵で叩き潰して粉状にする。素焼きのポットに水と粉になったコーヒーを投入、火にかけて沸騰させる。煮立たせた後、カップにコーヒーを注いでゲストに提供する(粉はポットの底に沈殿している)。蒸しパン(ダボ)、麦やナッツを煎ったスナック(コロ)、ポップコーンなどとともにいただく。
コーヒー・セレモニーを執り行うのは女性の役目とされている。大使夫人は目の前で煎り上げた豆の香りをゲストに順番に嗅がせてくれた。 「お客様の一人ひとりに豆の香りを楽しんでいただく。それもセレモニーの大切な要素の一つです」 と話す大使。夫人が煎った豆を臼に入れて杵で砕くと、さらに芳ばしい香りが広がっていく。素焼きのポットに水と粉状になったコーヒーを入れて沸騰させ、しばらく煮立たせたら完成だ。 いれたてのコーヒーがデミタスカップに注がれる。やわらかい口当たりと鼻腔に抜ける魅惑的な香りに、誰もがしばし無口になる。五感を刺激されるこのコーヒー・セレモニーは正式なものになると3杯飲むのが決まりで、2時間くらいかかるのだそうだ。
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デミタスカップを使うのがエチオピアの流儀。このカップとソーサーの柄はエチオピアのキリスト教会にある絵をあしらったもの。素焼きのコーヒーポットはジャバナと呼ばれる。
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デミタスカップを使うのがエチオピアの流儀。このカップとソーサーの柄はエチオピアのキリスト教会にある絵をあしらったもの。素焼きのコーヒーポットはジャバナと呼ばれる。
そもそもエチオピアがコーヒー発祥の地といわれるのは、次のような伝説がもとになっている。その昔、南西部のカファという地域の山で、羊飼いのカルディが興奮している羊を見つけた。カルディは、羊が興奮した原因と思われる木の葉と赤い実を自分自身で試してみたところ、眠気覚ましの効果があることを発見。そこから徐々に飲用として広まっていった、というのである。 しばらくすると、その飲み物はアラブの貿易商たちの知るところとなり、豆や苗木が対岸の国イエメンの港町、モカに渡ると、そこから世界各地に広まっていった。 「カフェという言葉は、地域名のカファに由来してできたという説もあるんですよ。エチオピアの人々はコーヒーが大好き、というよりエチオピア人にとって、コーヒーを飲まない生活は考えられないといったほうがいいでしょう。自国で生産されるコーヒーの約65%を国内で消費しております」 エチオピアのコーヒーは、その栽培方法によって4つの種類がある。 「まず、森林に自生する野生の木の豆を採取するフォレスト・コーヒー。野生の木を農家が下草を刈るなどして部分的に管理するセミフォレスト・コーヒー。 農家がもつ1~2ヘクタールの畑でコーヒーの木を栽培するガーデン・コーヒー。国営や民間の農園で栽培するプランテーション・コーヒー。 中でもガーデン・コーヒーは国の南西部や南東部の地域で盛んに行われており、これが国全体の産出量の約50%を占めています。その地域ではほとんどの家の畑にコーヒーの木があるんですよ」
エチオピアでは、健康飲料としても定着。
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