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COFFEE BREAK
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世界のコーヒー-World-
知られざるコーヒー大国、インドの不易と、流行と。
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知られざるコーヒー大国、インドの不易と、流行と。
Wild Garden The Café At Amethyst ワイルド・ガーデン カフェ・アット・アメジスト
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「アメジスト」は2000年に別の場所でオープン。10年に元穀物倉庫の現在の建物に移転。
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左から:カプチーノには3種の豆をブレンドしたエスプレッソを使用。/人気のケーキ、レッドベルベット。この店のスイーツは全体的に南インド標準からすると甘さ控えめ。
チコリ入りのコーヒーは出さず、コーヒー本来の味わいを。
ここではテーブルの上でラップトップを開ける人はまずいない。敷地内のすべてに共通するゆとりが、あくせくとした振る舞いとそぐわないのだ。人はガーデンを眺め、お喋りを楽しみ、雨の音に耳を傾けつつ、つい長居をする。旅客にとっては、顧客の7割を占める地元の人たちの纏う艶やかな伝統衣装を眺めるのもまた一興である。 南インドの伝統スタイルは、チコリを加えたコーヒー豆を金属製のポットでいれるマドラスコーヒー。しかし、この店ではチコリは加えない。あくまでもコーヒー本来の風味で勝負しているというわけだ。ブラックで飲んでみると、爽やかな酸味があり、苦味の少ないコーヒーだった。カプチーノ(ヘーゼルナッツかバニラのフレーバーが選べる)には3種の豆をブレンドしたエスプレッソを使って、味と香りに奥行きを出している。
左から:午前中は涼しい風の通るテラス席がおすすめだ。/店の内部にはアンティーク品が随所に置かれ、サロン的な雰囲気。間接照明とガーデンからの光で程よい明るさ。/このゲートをくぐると熱帯植物のトンネルを天蓋にした小径が現れ、訪れた人を建物へと導く。都心の別世界を演出する心憎いレイアウトだ。
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左から:買い物帰りに立ち寄った母子。インドは紅茶のイメージがあるが、コーヒーの歴史の方が200年以上も古い。特に南インドの人はコーヒーを好む。/インド式マドラスコーヒーをいれる器具。通常はアルミ製で350円程度で買えるが、こちらは真鍮製。
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左から:フラワーショップ脇の特等席。/フランス人シェフが作るオニオンスープ。/松の実が香ばしいシーザー・チキンサラダ、アンチョビドレッシングで。
The Old Madras Baking Company オールド・マドラス・ベーキング・カンパニー
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左から:コーヒーとペストリーを楽しみに来た友人グループ。マドラスコーヒーは日本円にして1杯が約80円という安さ。/スタッフの後ろのボードには店のモットーとパンの保存方法が掲げられている。
チェンナイ市内に7店舗を展開する本格派ベーカリー。高温多湿の南インドではパンやペストリーにいとも簡単にカビが生えるので、防腐剤添加が当たり前で、無添加のものを見つけるのは至難の業だった。2014年に1号店がオープンしたこのベーカリーのモットーは「すべて自然素材で、防腐剤なしのパンを毎日焼き立てで」。 木製の棚には見るからに焼き立てのパリッとしたパンが並び、その上のボードには「正しいパンの保存方法」が箇条書きにされている。この〝正攻法〟が健康意識の高い人々にミートし、店は評判となって店舗を増やし続けた。この店のもう一つの魅力としてチェンナイっ子たちが認めるのが併設されているカフェのコーヒーの美味しさだ。
左から:ジャムももちろん100%自然素材。/チーズ・コーナー。ここからチーズを選んで、サンドイッチを注文することもできる。/ライム(左)とコリアンダー(右)のホームメイド無添加ピクルス。
親しみやすい味わいの、マイルドなマドラスコーヒー。
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ペストリーを物色しに来た子供たち。無添加は子供たちの未来のためでもある。
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左から:PR担当のスウェタさん。彼女の個人的な好みはカプチーノとのこと。/ホット・チキンサンドはカリカリの生地の下から熱々のチーズがトロリと出てくる。スパイシーなディップがいかにも南インド的。/ベーカリーは街路樹が繁るショッピング・ストリートに面して立つ。
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左から:ペストリー色々。手前左は塩キャラメルとチョコレートが詰まったバブカ。バブカはジューイッシュのパン。/マドラスコーヒーはカラフルな容器に入れられて登場。/本文で紹介した「ブラック・バザ・コーヒー」の商品。
The Brew Room ブリュー・ルーム
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左から:ニヴルティさんの友人でマーケティングの仕事をしているプージャ・ゴヤルさんは常連客の一人。午後の気分転換に立ち寄ると言う。/ブロンディとハウスブレンドのエスプレッソ。
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左から:南インド独特のプロセスで生産されるマラバール・モンスーンという豆を使って18時間かけて抽出するコールドブリューコーヒーとモカクリームケーキ。/ナッツやキャラメル、バニラで風味を足したフレーバード・カプチーノ。/ランチの人気メニュー、クリスピーチキンバーガー。/カルダモン入りのトルココーヒー。
8種類の抽出方法で、アレンジの種類は9つ。
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入り口を入ってまず目につくのがイラストで描かれたケーキメニュー。この演出を無視して飲み物だけを注文するのは難しい。
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左から:オーナー一族の一人、ニヴルティ・ルディさん。/サイフォンでコーヒーをいれるスタッフ。様々な方法でコーヒーが抽出される様を眺めるのも楽しい。/サヴェラ・ホテルの敷地の一角に立つ。店名は「コーヒーをいれる部屋」という意味。/緑豊かなガーデンテラスを通って、店内へ。空間を贅沢に使ったレイアウトだ。
Chennai Coffee チェンナイ・コーヒー
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コールドコーヒーを飲みに立ち寄った人。近くの家電関係の会社に勤めているという。
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左から:マドラスコーヒー。泡立てることで口当たりが良くなり、液温も適度に下がる。/南インド独特の軽食ティファンとコーヒーを楽しむ店。軽食は別のところにあるキッチンから日に2度、作り立てが届けられる。/右上から時計回りに、サモサ、ワダ、カトゥレットゥ、別種のワダ。
マドラスコーヒーの所作は、南インド男性の必須マナー?
この界隈は高級住宅地で知られ、去年亡くなった元州首相のカルナーニディ氏の邸もある。政治家がテイクアウトする姿がしばしば見られるそうだ。 常連だというモハン・ドゥライさんがマドラスコーヒーの正しい所作を実演してみせてくれた。ステンレスのカップと、ソーサーと呼ぶには深い受け皿とを巧みに使って、砂糖とミルクの入ったコーヒーを一気に泡立てていく。飛沫が衣類を汚すようなことはない。万が一にもそんなことがあったら、きっとこの街では不粋な男と見下げられてしまうのだろう。
左から:マドラスコーヒーを泡立てるスタッフ。/常連客がマドラスコーヒーの所作を実演してみせてくれた。要はカップと受け皿の間でコーヒーを行き来させるのだ。/これを複数回繰り返す。あくまでも優雅に!/湯気を立てるコーヒーポット。フィルターコーヒー用の豆は最細挽きが使われる。