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Vol.31 ドイツ:カフェ・ノイン(Café 9)
ベルリンではいま「コーヒーと環境」に取り組むカフェオーナーたちが増えてきています。まずはテイクアウト用のカップごみを減らすためにできることからスタートした、「カフェ・ノイン」の取り組みからどうぞ。
「店で飲みますか?」笑顔での一言が、ゴミを減らす!
Vol.31 ドイツ:カフェ・ノイン(Café 9) www.facebook.com/cafe9berlin28億個。この数は、ドイツで1年間に廃棄されたテイクアウト・コーヒー用の紙コップの数だ。"紙"コップといっても断熱効果を持たせるためにポリエチレンで表面加工してあることも多くリサイクルは難しい。環境大国として知られるドイツだがこの問題は大きくなるばかり。ドイツ環境支援協会の調べによれば、ドイツのコーヒー消費の約15%がテイクアウトだそうで、多くのカフェにとってはメインビジネスでもあるからだ。
「コーヒーのテイクアウトを否定する気はないですが、不要なゴミを出すのは納得がいかない」と言うのは「カフェ・ノイン」のオーナー、フィリップ・ライヒェルさん。人気の屋内市場「マルクトハレ・ノイン」の一角にある立ち飲みメインの小さな店は、朝8時のオープンと同時にいっぱいになり11時まで全くお客が切れることがない。大抵の人は店内で飲んでいる。市場の中で働く人たちは陶製のカップでテイクアウトし、仕事帰りに戻しに来る。客の回転は良いにもかかわらず、取材中、3時間ほどで使われた紙コップは10個に満たなかった。
「注文の際に『ここで飲みますか?』と笑顔で尋ねるんです。そうすると大抵の人がじゃここで、って言いますよ」。たったそれだけのことで?と思うが、1年で15〜25%テイクアウトが減ったそうだ。前述のドイツ環境支援団体の調査によれば、テイクアウトしたコーヒーの3分の2が店先で飲まれているというから、問いかけがあればその習慣は変えられるということなのだろう。
カフェ・ノインではテイクアウト用コップと蓋、どちらも完全生分解が可能なものを使っている。「ジャガイモの澱粉で表面加工してあるんですが、一般的な紙コップよりかなり高価なのであまり使いたくないんですよ」と笑うライヒェルさん。ミルクは味もさることながら、ベルリン郊外のオーガニック&パッケージが完全生分解可能なものを選び、ゴミを60%カット。コーヒーをいれた後の「かす」は専用コンポスターに入れて市場に出店している農家に提供するなど徹底的だ。「使えるものはとことん使わなきゃ。コーヒーかすだって栄養たっぷりなんだからね!」
カフェ・ノイン(Café 9) www.facebook.com/cafe9berlin Eisenbahnstrasse 42/43, 10997 Berlin Tel.なし 営業時間 8:00〜18:00(月〜水、金・土)、8:00〜20:00(木)