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容器に量り売り&マイカップ持参でゴミ削減 イギリス:ウェイトローズ&パートナーズ
持続可能な開発目標(SDGs)について語られることが増えてきた昨今。世界のコーヒービジネスでも、すでに多くの取り組みが始まっています。今月はイギリスの事例をご紹介。環境問題への意識が高いチャールズ皇太子がパトロンの大手スーパーマーケットでは、量り売りなどを通してエコチャレンジを推進しています。
容器に量り売り&マイカップ持参でゴミ削減。
Vol.102 イギリス:ウェイトローズ&パートナーズ(Waitrose & Partners)
www.waitrose.com
イギリスの大手スーパーマーケットのなかで、唯一王室御用達の栄誉を得ている「ウェイトローズ&パートナーズ」。エリザベス女王とチャールズ皇太子のお二方からの認定を授与しており、品揃えも王室御用達というイメージ通りクオリティの高さを誇る。顧客サービスも、他のスーパーとの違いを明確に打ち出す努力をしており、なかでも特筆すべきは、地球環境保全への取り組みにいろいろな角度から励んでいることだ。
まずは、2019年夏から始めた量り売りシステム。プラスチック包装の低減のため、コーヒー豆をはじめ、米、パスタなどの穀類や冷凍フルーツなどを量り売りし、梱包には備え付けの紙袋や持参の容器を使用してもらう。パック包装の同じ商品より1割安い値段設定にしていることもあり、量り売りのほうを好む顧客が徐々に増えているという。このコンセプトはまさに当たったといえよう。量り売りのコーヒー豆に関しては、オリジナルブレンドからハイローストまで常に4種類取り揃えており、コーナーには自由に使える電動ミルも設置されている。
また、このスーパーの顧客サービスのひとつに、ドリンクの無料提供があり、ここでもエコ精神を発揮している。これは商品購入額に関係なく、レジでの支払い時に「マイ・ウェイトローズ」という顧客カードを提示すると、コーヒーか紅茶の無料サービスを享受できるシステムだ。店内にあるセルフサービスのドリンクマシーンでは、ブラックコーヒー、カプチーノ、カフェラテ、紅茶の選択が可能で、あとはボタンを押すだけ。ここまでは何の変哲もない。ではなにがユニークかというと、自分のカップを持参すべし、というルールがあること。紙コップの使い捨てを禁止し、昨年から新たに導入した試みである。そのため、ドリンクマシーンには紙コップは一切置いていない。
ここ数年、日本でもイギリスでもマイバッグ持参運動が盛んだが、ウェイトローズ&パートナーズでは、マイカップ持参運動も奨励しているのだ。環境問題への意識が高いチャールズ皇太子がパトロンであるスーパーだけに、これからも身近なところで実践可能なエコアイデアを発信してくれることを期待したい。