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Vol.10 デンマーク:コーヒー•コレクティブ(Coffee Collective)
コーヒーを愛してやまない北欧の国デンマークでは、「自宅でも本物のコーヒー」をテーマに、コーヒーの講習会に参加するのが流行っています。Vol.10では、英語での見学会を実施している「コーヒー・コレクティブ」をご紹介します。
コーヒー通の外国人にも好評、英語の店内見学ツアー。
Vol.10 デンマーク:コーヒー•コレクティブ(Coffee Collective)
coffeecollective.dk
コーヒー先進国として、本当に美味しいコーヒーが人々の日常にあるデンマーク、コペンハーゲン。コーヒー・ブームの牽引役といわれているのが、2007年にコーヒー・マニアの4人で立ち上げた、「コーヒー•コレクティブ」だ。年に一度、南米やアフリカの生産農家に赴いて、直接買い付ける「ダイレクト•トレード」をモットーとし、店内の焙煎所で豆を焙煎し挽いて、丁寧にいれる単一品種のコーヒーの味が口コミで広がり、郊外から車でやってくるファンもいるほど。現在は店舗が3軒に増えた。
本店には、カフェ、コーヒー器具や書籍のコーナー、焙煎所、講習会室、事務所が集結する。講習会は、現在は1号店で月2回、一般消費者向けにバリスタコースが開催されている。また、本店では、グァテマラの生産者を招いたレクチャー、コーヒー&フードとジャズ•コンサート、企業向けのコーヒー•テイスティングなどのイベントが不定期に開催されている。とはいっても、特別イベントやコーヒーの講習はデンマーク語のみがほとんど。そこで、外国人や旅行者にも「コーヒー•コレクティブ」を知ってもらおうと、毎月第1金曜日の午後の1時間、英語での"見学会"を開催している。
毎回参加者が多いため、店内の焙煎所に移動してコーヒーの歴史、産地、焙煎などの基礎的な内容をレクチャー後、カフェスペースで4種類のコーヒーをテイスティングする。参加費は無料、しかも予約不要なのがうれしい。講師は、焙煎士のヤコブ•デュポンさん。
「デンマークでは、1970年代にニュー•ノルディック料理の仕掛人、クラウス•マイヤーが、『エステート•コーヒー』を立ち上げ、生産地に赴いて、直接買い付けました。それがダイレクト•トレードの始めといわれています」と、ヤコブさんは流暢な英語で、デンマークのコーヒー事情について話し始めた。
周りを見ると、国籍も年齢もまちまちな20人ほどの見学者が集まっている。 その後は、焙煎について。ヤコブさんは焙煎士だから、必然的に専門的な話題も盛り込みながら、話が長くなる。
「豆の色が、グリーンからダーク•グリーンに変わるまで150度から200度の温度で15分間ほど、ゆっくりとローストしていきます。小粒のブラジル産の豆は浅煎り、大粒のケニア産はゆっくりと深煎り、という具合に、豆のサイズや季節によって調節するのですが、マニュアル化は難しい。経験がものをいう世界です」。
そして、最後に「コーヒー•コレクティブ」がすすめる4種、ブラジルのダテルラ、エスプレッソ用にケニアのキエニ、グアテマラのフィンカ•ヴィスタ•ヘアモサ、ケニアのギツアラをテイスティングして終了。1時間の予定を30分以上もオーバーするほど、熱心に話をしてくれたヤコブさんに、見学者たちは大きな拍手を送っていた。見学を終えた人たちは、「この店はマニアのこだわりや蘊蓄がある印象でちょっと苦手だった。けれど、見学会ではお店の人の情熱が伝わってきて好感がもてるようになった」「焙煎機や麻袋に入ったコーヒー豆など、舞台裏を覗けて楽しかったです」などと語っていた。
広報担当者によると、集中的にコーヒーについて学べるこの"見学会"は、本店で開催するイベントの中でも好評。デンマークのコーヒー文化を海外の旅行者にも伝えるという重要な役割も果たしているようだ。
コーヒー•コレクティブ(Coffee Collective)
Tel.+45 6015 1525
Godthåbsvej 34B, DK-2000 Frederiksberg, Denmark
営業時間:7:30~19:00(月~金)、9:00~18:00(土)、10:00~18:00(日)、12/31のみ、10:00-15:00
休:12/24-26, 1/1
見学会は毎月第1金曜日16時から17時。無料。当日、時間までに現地集合