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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
コロナ禍の中助け合うコーヒーコミュニティ ニューヨークから
コロナ禍の中助け合う、ニューヨークのコーヒーコミュニティ。
Vol.123 米国・ニューヨークから。ニューヨーク州内のレストランはパンデミックの影響を受けて、多くのお店が閉店に追い込まれた。地元の人々に長い間愛されてきた名店も次々と廃業になり、ニューヨーカーからは嘆きの声が上がっている。コーヒーショップも大打撃を受けた業界の一つで、気軽に持ち帰りでコーヒーを買ったり、頻繁にカフェでコーヒーを味わったりする文化が定着しているニューヨークではなおさらのこと。そんな時にお互いに助け合う、コミュニティがある。コーヒー豆を焙煎するシェア施設だ。
「シェアード・ロースティング」は、ブルックリンにあるコーヒー豆をシェアでローストできる施設。そのリーズナブルな価格から、パンデミックで経営難に苦しんでいる多くのカフェが2020年に新規契約した。コーヒー豆の焙煎機を購入するには、通常1万ドル〜かかると言われているが、コロナ禍のインデペンデント系のカフェにとっては、非常に高価で死活問題だ。「シェアード・ロースティング」では1時間あたりの時間制で焙煎を提供。サイズと規模によって料金は変わるが、価格帯が60ドル〜400ドルとお手頃だ。またミニマムの時間や登録費なども設けていないので、カフェ側は月に一回、または毎日でも好きな時にローストできるのだ。焙煎機は4種類揃え、コーヒー豆の重さによってそれぞれ対応した機械を選べる。また今まで一度もローストしたことがないコーヒーブランドの人も利用できるように、ローストに関するクラスも実施。コーヒー豆をいかにローストするか、初心者からプロフェッショナルのレベルに達するような内容になっている。他にも「ニューヨークでのカフェをオープンする方法」や「Eコマース(インターネット上での売買)のコーヒービジネスを開始する方法」など、コーヒーショップの経営に即したクラスも展開している。パンデミックの生き残りをかけた、小規模のコーヒーブランドやカフェには心強い味方だ。
また「プリー・コレクティブ」も同様のサービスを行う焙煎機のシェア施設。ブルックリンとオークランド、ロスアンジェルスの3つの地域で経営し、コーヒーブランドの規模がどのステージでもメンバーシップ制で貸し出してくれる。ブルックリンのレッドフック地区の施設では、ローストしたてのインデペンデント系のコーヒー豆も販売。カフェが人気の「ゴッサム・コーヒー・ロースターズ」や生分解性プラスチックの包装を利用したエコフレンドリーな「コプティック・ライト」のコーヒーが購入できる。パンデミックで誰もが大変な思いをしている時。今こそ、スモールビジネスを助けたい。