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Vol.25 ドイツ:シュパイヒャーシュタット・カフェレステライ(Speicherstadt Kaffeerösterei)
ドイツの港町ハンブルグ。コーヒー愛好家の間では「カールスバード・ポット」がひそかな話題となっています。Vol.25では、今年ユネスコの世界遺産に登録されたハンブルグの倉庫街で人気のカフェをご紹介します。
世界遺産の倉庫街で、カールスバード式コーヒーを。
Vol.25 ドイツ:シュパイヒャーシュタット・カフェレステライ(Speicherstadt Kaffeerösterei)
www.speicherstadt-kaffee.de
北ドイツの港町、ハンブルク。中世からハンザ都市として栄えた交易の町は、現在もヨーロッパ第2の規模を誇るコンテナ港を有し、コーヒー生豆の取り扱いも多い。ここに拠点を置くドイツコーヒー協会の発表によれば、「ドイツのコーヒー4杯中3杯がハンブルクを通っている」そうだ。その歴史は古く、1677年には初のカフェハウスが開業している。
今年、コーヒー豆をはじめ絨毯やスパイスなどが貯蔵されていた倉庫街がユネスコの世界遺産に登録された。「シュパイヒャーシュタット(倉庫街)・カフェレステライ」は、その名の通り、倉庫街の真ん中に2006年にオープンした焙煎所兼カフェだ。メニューにはエスプレッソだけでも7種類、仕入れと焙煎の状況によって入れ替わるレアな豆が5種類以上並ぶ。レアものは素材本来の味を楽しんで欲しいとプレスポットで抽出提供しているが、中でも最も希少な豆には「カールスバード・ポット」の使用が推奨されている。
陶製の二重フィルターがセットされているこのポットは、100年以上前から南ドイツの工房で手作りされているもの。紙や布などの味や香りが混ざることなく、かつコーヒーオイルもフィルターに遮られないので、豆本来の味が忠実に再現されるドリップ方法としてテイスティングには重宝されてきた。しかし3分間ほどつきっきりでいれなければならないため、日に2000から3000杯が飛ぶように売れるこの店では、なかなか使いづらかったのだという。だが生産量が極少ないニューカレドニア産のブルボン・ポワンチュを手に入れ、ついにこのポットの店頭使用に踏み切った。
「苦みが抽出されにくいので、この豆がもつ蜂蜜のような甘さ、優しい味が細やかに伝わってきます。カフェイン含有量が少ないこの豆にぴったりのいれ方。これからもレアな豆にはこのポットを使いたい」とはマーケティング担当のボックさんの言葉。「コーヒー」と一口にいっても味も香りも無限大だということを広めるため、日々新たな豆の仕入れに、また焙煎へのこだわりにも余念がないボックさん。その無限の可能性を純粋にひきだしてくれるのがカールスバード・ポットなのだ。
www.speicherstadt-kaffee.de
Kehrwieder 5, 20457 Hamburg
Tel.040-31816161
営業時間 10:00〜19:00 無休
更新日:2015/10/1