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COFFEE BREAK
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フレンチの巨匠によるコーヒーという美食の世界 フランス:ラ・マニュファクチュール・ド・カフェ・アラン・デュカス
美食の国フランス・パリも然り。数百年の歴史を持つカフェ文化が、ここ10年で大きな進化を遂げています。北欧やオセアニア諸国から到来したコーヒーショップの洗礼を受け、新しい味わいやスタイルを知ったパリジャンたちが、「この街だからこそ」のビジネスモデルを続々と生み出しているのです。まずは「現代フレンチの巨匠」と呼ばれる、あの人物のお店からご紹介。
フレンチの巨匠による、コーヒーという美食の世界。
Vol.95 フランス:ラ・マニュファクチュール・ド・カフェ・アラン・デュカス(LA MANUFACTURE DE CAFE ALAIN DUCASSE) https://www.lecafe-alainducasse.com
全世界に30の系列店を展開し、ミシュラン・ガイドで総計20の星を戴く現代フレンチの巨匠アラン・デュカス。最先端のクリエイションを切り拓いてきたシェフが2019年2月、満を持してコーヒーに着手したのがこの店だ。
店名に掲げた「マニュファクチュール」とはフランス語で「手仕事工房」のこと。その名の通り焙煎士が常駐し、丁寧に手をかけて焙煎する工程が、大きなガラス窓を通してイートインスペースから見渡せる。さながらオープンキッチンのレストランを思わせるスタイルだ。
「この透明性こそ、当店の一番の特徴です。生豆に焙煎という魔法をかけて、適切な技術で淹れた一杯を、そのすべての過程が見える場所で提供する。あらゆるディテールを考え抜くアラン・デュカスの美食世界を、コーヒーで『体験』してもらう仕組みですね」
そう語るのは主任焙煎士のヴェダ・ヴィラスワミさん。元々はエンジニアで、コーヒー焙煎の物理的かつ感覚的な面白さの虜になり15年前に転職、以来国内コンクールを総なめにしてきた実力派だ。パリ市内に2件ある直営カフェ&ショップのほか、アラン・デュカス系列店で提供するコーヒー用の豆をここで焙煎している。
モットーは、コーヒーが持つ自然な美味しさを、シンプルに引き出すこと。徹底した素材中心主義は、デュカス氏の関連ビジネスに共通する哲学でもある。豆は単一生産地の6品種(イエメン、エチオピア、ケニア、パナマ、コスタリカ、レウニオン)と、エスプレッソ用・フィルター用のブレンドを加えた計8種類を使用。その味わいをクリアに引き出すため、焙煎機は赤外線加熱式で送風速度の調節できるものを選んでいる。
焙煎所に隣接するイートインスペースに「バリスタ」がいないことも、この店の大きな特徴だ。
「抽出専門のスタッフを、我々は<カフェリエ>の名で再定義しています。コーヒーを『体験させる』という、当店の考え方を体現する職業です。既存のバリスタよりは、ソムリエに近い役割ですね」
メニューは定番のエスプレッソ(2.50ユーロ)やフィルターコーヒー(3.50ユーロ)のほか、ミルクの種類が異なる3種類のカプチーノ(6.50〜7.50ユーロ)、コーヒーチェリーを乾燥させて煎じたドリンク「カスカラ」(6ユーロ)、ビールのようにサーブするコールドブリュー(6ユーロ)と多彩なラインナップ。その一つ一つをカフェリエが、豆や抽出の特徴を解説しながら提供する。
伝統的なカフェともカジュアルなコーヒーショップとも違う、美食としてコーヒーを堪能しに行くための店。かつてない業態は美味しいものに目がない地元パリジャンの他、コーヒー愛好家、観光客、そしてアラン・デュカスのファンと、幅広い客層に支持されている。
ラ・マニュファクチュール・ド・カフェ・アラン・デュカス(LA MANUFACTURE DE CAFE ALAIN DUCASSE) https://www.lecafe-alainducasse.com 12 rue Saint-Sabin 75011 Paris France TEL: +33140027690 営業時間 月〜金8:30〜19:00 土9:00〜19:30 日9:00〜18:00
週休はなし。バカンスシーズンに不定期休業あり