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2022.06.30

ダイエットにコーヒー!? これだけある科学的根拠

何気なく飲んでいるコーヒーがダイエットに関係していることをご存じだろうか? コーヒーは脂肪の代謝をサポートする、2型糖尿病の改善に役立つなど、うれしい研究結果が報告されている。コーヒーのダイエットに関する科学的根拠をご紹介する。

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世界的な科学誌で発表された「メタボ」改善とコーヒーの関係

「なんだか太った」「体重が5㎏以上も増えてしまった」

コロナ禍、体型や体重、体調に変化を感じている人は少なくない。

実際に、一般社団法人日本生活習慣病予防協会の調査(※)によると、4人に1人がコロナ太りを実感していることが判明。さらに、糖尿病を診断する基準として欠かせない「HbA1c」、適正体重を示す「BMI」、「血糖値」といった生活習慣病のリスクが高まる項目がすべて上昇していることがわかったという。今までメタボや生活習慣病など自分には関係ないと思っていた人たちも、運動不足や暴飲暴食を実感している人が多く、元の日常に少しずつ戻ろうとする今、ダイエットや食生活改善への関心が高まっている。

実は、コーヒーもダイエットや生活習慣病の改善に役立つことが研究によって解明されている。2002年、権威ある世界的な科学専門誌の『The Lancet(ランセット)』で、オランダのヴァン・ダム教授らの研究チームが「コーヒーを17杯飲む人は、12杯以下しか飲まない人に比べて2型糖尿病のリスクが50%低下する」というデータを発表し話題を集めた。その後もアメリカ、スウェーデン、フィンランドなどがコーヒーと糖尿病の関係について研究調査結果を発表し、どの調査研究でもリスクを軽減することがわかったという。

※:https://seikatsusyukanbyo.com/calendar/2021/010550.php

「脂肪の代謝」「ストレス解消」などダイエットへの働き

2型糖尿病へのリスクが軽減される点以外にも、コーヒーとダイエットの関係でわかってきていることはまだまだある。

コーヒーには「クロロゲン酸」というポリフェノールが含まれている。他のポリフェノールと同じように抗酸化作用もあるが、それ以外に脂肪や糖をエネルギーにする働きをサポートしてくれるのだ。

また、コーヒーに含まれるさまざまな成分の働きによって交感神経が優位に働くこともわかってきている。私たちの体は、「自律神経」によって、内臓や代謝、体温といった体の機能をコントロールし、調整している。この自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」が存在する。どちらも大事だが、交感神経には体重や体脂肪の量を調整する働きもある。

京都大学名誉教授の森谷敏夫氏の研究によると、コーヒーを飲むと、この自律神経の働きが促進され、脂肪の代謝を高める効果が得られることがわかったという。

また、太る原因のひとつに、「ストレス」による過食がある。人は過度にストレスを感じるとドーパミンというホルモンが過剰に分泌されて食欲中枢を刺激して、「食べたい!」という気持ちのコントロールがうまくいかなくなってしまう。コロナ禍においてもいつもと違う日常でこのストレスが増大し、過食に走ってしまった人も多いのでは......。そういった意味ではストレスをうまくコントロールすることもダイエットには欠かせない。

実は、コーヒーにはこのストレスをうまくコントロールする作用もある。杏林大学名誉教授の古賀良彦氏らの研究によると、コーヒーの香りを嗅いだ20代の女性10人の脳波の動きを追うと、リラックスしたときに出るα波と、集中力が高まると出るP300という脳波がともにコーヒーの香りを嗅がない日常と比べ、多く出現したという。コーヒーの香りにはリラックス効果と集中力を高める2つの作用があることがわかったのだ。ストレスを感じ過食に走ってしまいそうなときに、1杯のコーヒーでひと息入れると、その気持ちが落ち着く可能性は高いといえそうだ。

他にも、コーヒーに含まれるカフェインが脳の迷走神経を刺激し、腸の蠕動運動を刺激して、便秘解消などの効果も期待できるといわれている。

【ダイエットに関するコーヒーの主な作用】

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ダイエット生活にどうコーヒーを取り入れる!?

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でも、実際どれぐらいコーヒーを飲むとダイエット効果が期待できるのか? この部分を知りたい人も多いのでは。

コーヒーにダイエット効果があるというと、とにかくたくさん飲めばいいと思うかもしれないがそうとはいい切れない。コーヒーの効果を生かすには、いくつかの条件が必要だ。まず、ノンシュガーであること。ミルクを入れて飲むのもおいしいが、ダイエット効果を狙うなら、ブラックを選ぶといい。

また、コーヒーだけ摂っても代謝は上がらない。脂肪燃焼を促すには、肉や魚、大豆などのたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が必要になる。バランスよく食べることを前提の上、食後1杯のコーヒーを飲むことで、脂肪の代謝を促し、香りの効果などで過度な食欲も軽減させる。3食きちんと摂って、毎食後ブラックコーヒーを生活の中にプラスしてみてほしい。

そして、ダイエットには適度な運動も必要だ。運動30分前にコーヒーを飲むと脂肪の代謝が高まることもわかってきている。コロナ禍、思うように運動ができなかったという人も多いかもしれないが、これを機会に、ウォーキングなどの有酸素運動の前に"コーヒー1杯"を習慣づけてみることをお薦めしたい。

文:伊藤まなび/イラスト:カイフチエリ

監修  近藤和雄

Profile

医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、メルボルンのベイカー医学研究所へ留学。防衛医科大学校病院講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養指導室長、お茶の水女子大学生活環境研究センター長を経て、現在、お茶の水女子大学名誉教授。鶴見西井病院顧問。日本栄養・食糧学会会員。赤ワインに含まれるポリフェノールの動脈硬化予防効果をいち早く実証し、世界的な医学雑誌『The Lancet』で報告。