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2024.10.29

「コーヒーを味方に! 秋から始める、賢いダイエット術」

「コーヒーを味方に! 秋から始める、賢いダイエット術」
季節の変わり目や、気温が低下し、日照時間が短くなると、自律神経のバランスが乱れがちに。自律神経は、食欲や脂肪燃焼と深く関わり合っているため、"食欲の秋だから"と本能のまま過ごしていると、食べ過ぎや秋太りを招きかねません。 実は、コーヒーには、自律神経の"質"を高める働きがあることが分かっています。今回は、ダイエットの鍵を握る、自律神経と質の底上げにつながるコーヒーの関係について学びましょう。
森谷 敏夫先生

教えてくれたのは...... 森谷 敏夫先生

1950年、兵庫県生まれ。1980年に南カリフォルニア大学大学院博士課程修了。京都大学大学院人間・環境研究科教授を経て、 現在は京都大学名誉教授、中京大学客員教授。「株式会社おせっかい倶楽部」代表取締役。応用生理学やスポーツ医学をもとに、日本や米国で肥満について30年以上研究。長年、若々しいスタイルをキープしている。

自律神経と肥満の関係

自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っていて、日中の活動的なときは交感神経が優位に、睡眠時などリラックスモードのときは副交感神経が優位に働きます。自律神経が正常に働いていれば、食べ過ぎることはありません。というのも、食欲をつかさどる 「満腹中枢」と「摂食中枢」は自律神経と密接に関わり合っています。運動していると空腹を感じづらいのは、交感神経が優位となり、満腹中枢に働きかけているため。満腹感は運動後、30分から1時間程度持続するので、その間食欲を抑えることができます。

自律神経と肥満の関係
自律神経の働きがいい人は交感神経と副交感神経が元気よく切り替わります。
森谷先生 自律神経と肥満の関係が科学的に証明されたのが、1991年にアメリカで提唱された「Most Obesities kNown Are Low In Sympathetic Activity」の頭文字を取った『モナリザ仮説』です。健康美をキープできている人は、 満腹感を感じると自律神経が活性化し、アドレナリンというホルモンが分泌。脂肪細胞に働きかけて脂肪の分解や燃焼を促すため、自然と痩せやすい体になっているのです

コーヒー+運動で賢く燃焼。"痩せる脂肪"も味方に!

太る理由は、食べ過ぎや運動不足の他、女性の場合は更年期に伴うホルモンバランスの乱れが挙げられます。 また、自律神経の働きのピークは20~30代。それ以降は下降をたどるため、どうしても年齢を重ねるほど太りやすくなります。現に自律神経の働きが低い人は、BMI値や体脂肪率が高いことが分かっています。

コーヒー+運動で賢く燃焼。 コーヒー+運動で賢く燃焼。
自律神経の低い人と高い人の比較。自律神経の働きが低い人の方がBMI値と体脂肪率が高い結果に。
(出典元:Eur J Appl Physiol 97:542-547,2006)
コーヒー+運動で賢く燃焼。 コーヒー+運動で賢く燃焼。
自律神経の働きが低い人が12週間、1日30分の運動をすると、自律神経の質が向上したことが分かります。
(出典元:Med Sci Sports Exer 33:1287-1291、2001)
自律神経と肥満の関係
褐色脂肪細胞の多い人は何もしなくても1日に400kcalほどエネルギーが消費され、自然と燃えやすい体に。活性化させるには体を動かして熱を作り出すことが大切です。

自律神経の質を高めるには、コーヒーがおすすめです。コーヒーには、交感神経と副交感神経のどちらの質も高めることが分かっています。また、毎日の運動も有効で、 コーヒーと一緒に取り入れることで相乗効果がアップするという研究結果も出ています。加えて、"痩せる脂肪"と言われる褐色脂肪細胞にも注目。褐色脂肪細胞は、脂肪を取り込んで熱エネルギーとして消費する細胞で、 主に首や背中、脇腹などに存在しています。量が多い人は脂肪が燃えやすく、少ない人は冷えやすく太りやすい傾向に。褐色脂肪細胞は、寒冷な環境で過ごしたり、体を動かしたりすることで増やすことができます。

森谷先生 気温が下がる冬は太りやすいと思われがちですが、体が寒さから守ろうと基礎代謝が上がるため、実は痩せやすい季節です。そんな時こそ、外でこまめに体を動かして、熱を作り出すことが大切です。 寒いからと厚着しすぎるのはNG。薄着で寒さを感じることも、褐色脂肪細胞を刺激するには有効です。気温10度の環境下で生活をすると、1日400kcalほど自然にエネルギーを消費することが分かっています

自律神経の働きを底上げする"コーヒー&運動"の新習慣

コーヒーには、交感神経と副交感神経のどちらの質も高めることが分かっています。特に、運動30分前にブラックコーヒーを取り入れると、脂肪燃焼に役立つホルモン、アドレナリンが分泌され、 効率よく働きかけることができます。グラフにあるように、白湯やデカフェと比べてもコーヒーを飲んだときの方が、総自律神経活動と脂肪燃焼効果がアップしたことが分かります。

自律神経の働きを底上げする 自律神経の働きを底上げする
カフェイン入りコーヒーを摂取してから運動した方が、総自律神経の変化が高いことが分かります。
(出典元:京都大学大学院人間・環境学研究科応用生理学研究室研究結果より)
森谷先生 コーヒーを飲んでから運動すると、自律神経の働きがアップします。自律神経の質が低い人でも、コーヒー+運動を続けていくことで質を改善することができます。まずは習慣化することを意識しましょう
森谷先生おすすめ! コーヒー新習慣
  • 運動の30分前にブラックコーヒーを飲んで脂肪燃焼
  • コーヒーはこまめに取り入れて効果を持続
  • ダイエット中はブラックコーヒーのほか、ノンシュガーのカフェオレでもOK

自律神経の質を高めるには運動も有効です。同じ運動でも、負荷の強弱を変えることで効果が上がり、筋力増加と心肺機能の強化に効果的とされています。例えば、ウォーキングとジョギングを交互に、それぞれ3分を目安に繰り返し行いましょう。 体に負荷がかかると、自律神経が呼吸や血圧、心拍を調整して、正常な状態に戻そうとします。短いインターバルで何度も繰り返すことで、効率よく筋肉と心肺機能を向上させることができます。

自律神経の働きを底上げする
同じ姿勢や動作が3分以上続くと、血圧も心拍数も呼吸数も安定し、自律神経の働きが弱まるため、自宅にいるときも立ったり座ったりとちょこちょこ動くことを意識しましょう。
森谷先生おすすめ! 運動の新習慣

3分ごとのメリハリ運動

森谷先生 3分間のウォーキング後、3分間のジョギングで心拍数をアップ。3分間のウォーキングで心拍数を落ち着かせて再びジョギングで負荷を。交互にメリハリをつけて行うと効果的です。1日15分程度でOK
まとめ
  • ダイエットには、自律神経の"質"を高めることが重要
  • 自律神経の"質"の底上げには、コーヒーと運動が鍵
  • 運動30分前のコーヒーで燃えやすい体に
  • 運動は3分ごとのメリハリを意識
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