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COFFEE BREAK
インタビュー-Interview-
大林素子【女子バレーボール元日本代表】
本場イタリアでエスプレッソに開眼。
大林素子【女子バレーボール元日本代表】
日本女子バレーボール界のエースアタッカーとして活躍した大林さん。プロ選手第一号として渡ったイタリアで、コーヒーとの新しい出合いが。
コーヒーの思い出というと、真っ先に頭に浮かぶのは、イタリアで出合ったエスプレッソのことです。日本のバレーボール界第一号のプロ契約選手として、私がイタリアに渡ったのは今から約20年前。その頃は、日本ではまだ今のように街のカフェが充実している時代ではありません。私はもともとコーヒーが大好きで、レギュラーコーヒーでもインスタントコーヒーでも、とにかくブラックをホットでよく飲んでいましたが、本格的なエスプレッソコーヒーは未経験のまま、イタリアに行くことになったのです。
チームの本拠地は、イタリア中部のアドリア海沿岸にあるアンコーナという街。チームメイトとカフェに行くとみんなエスプレッソを飲んでいたので、私も頼んでみました。初めて飲んだときの衝撃は、今も忘れられません。なんだろう、この味は......ただ濃いというのではなくて、凝縮された甘みや旨味を感じるような......そんな驚きで頭の中がいっぱいになって、最初からすっかりその味わいに魅了されてしまったのです。
以来、イタリアにいる間はいつもエスプレッソ。試合で遠征する際にバスが出る広場のカフェや、チームメイトとよく集まって作戦会議をしたりするレストラン・バルでも、いつもエスプレッソ・ドッピオ(=2ショット分のエスプレッソ)を注文していました。じつはエスプレッソ・ドッピオを飲む人は現地でも珍しかったらしく、私がよく大きなカップで飲んでいると、〝え、モトコはいったい何を飲んでいるの?〟と、チーム内で驚かれたこともあったんですよ(笑)。
おかげで日本に帰国してからも、エスプレッソを出すお店に行くと頼むことが多くなりました。ただ、アンコーナで飲んだものと同じ味に出合えることは、正直、なかなかなくて......やっぱりあの美味しさは、あの土地ならではの気候やお水の味などに、とても合っているものなんだろうと思います。
ほかにイタリアで大好きになったのは、ポルチーニ茸のリゾットとティラミスです。コーヒーにもよく合うティラミスはお店の人に作り方を教えてもらい、帰国後、所属していた東洋紡のチームメイトのために大きな保存容器2ケース分くらい作ったこともありましたが、卵白を泡立ててメレンゲにするのに頑張りすぎて、危うく腱鞘炎になりかけてしまって(笑)、それからは、しばらく控えるようにしました。